http://www.asahi.com/national/update/0207/TKY200902070239.html
合格者数は以前は500人程度だったが、07年は新旧試験を合わせて2099人、08年は同2209人と計画に従って段階的に増えている。一方で、弁護士の「就職難」が表面化。「法曹の質の低下」を懸念する声もある。
日弁連は、計画通りのペースで進むと、政府が想定する法曹の総人口「5万人規模」には2016年に達すると試算。今回の見直し案では、「5万人」の目標は維持し、現状の合格者数も減らさない姿勢を示すことで、国民の理解を得たい考えだ。09年から合格者数を現状程度に据え置いたままでも、4年遅れの20年には5万人に到達するとみている。
質の低下は、単なる懸念ではなく、実際にも、新規登録弁護士を事務所で受け入れたものの、あまりにも使えないので早々とお引き取りいただいた、という話を、最近も知人から聞きました。合格者500名前後の時代にも出来の悪い人はいましたが、ここまで司法試験の合格者が増え、1年程度の修習しかしていない状態で次々と実務の世界に出てくる状態では、質を維持しろというほうが無理というものでしょう。さらに、昨年後半以降の急激な景気悪化が、今後、ますます弁護士に対する需要を急減させることは確実で、このまま法曹増員(増えているのは弁護士ばかりですが)が進めば、弁護士が、夜の銀座にあふれかえるタクシーのような状態になることは確実です。、
私は、質が低下しようが食い詰めた弁護士が多数出ようが、そんなことはどうでもよいので弁護士が増えさえすれば良い、というのがこれまでの「司法改革」であると理解していて、見るも無残な状態を、一度、改革派に見せてあげないと真の「改革」への道へは進めないような気が、最近はしてきていますが、いずれにしても、気の毒なのは、法曹になろうとして真面目に勉強し時間もお金もかけてきた若手の人たちで、このままでは、法曹界へ身を投じようという優秀な人材確保にも支障をきたしかねないでしょう。
上記の記事にあるような日弁連の動きも、何を今さらと、しらけた気分にしかなれない人が極めて多いのではないかと思います。