「すごく怖い世界ではない」 裁判員制度施行日案公表で法相

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080408/trl0804081204003-n1.htm

裁判員制度の施行日を来年5月21日とする政令案が公表されたことを受け、鳩山邦夫法相は8日の閣議後会見で、「すごく怖い世界に足をつっこむという感覚の人がいるのではないか。それを解きほぐすことが重要だ」と啓発活動が最大の課題との認識を示した。

法務大臣はそう言いますが、裁判員が関わろうとしている刑事司法の世界は、「すごく怖い世界」です。証拠を精査しても100パーセントの真実はわからず、常に、これが真実なのか、人の人生をこの証拠から決めてしまってよいのか、といった疑問、疑念にさいなまれ、難しい事件については、数年、十数年、数十年たった後でも、ふと思い出すこともあります。判決が宣告された時の、被告人の表情が思い出されることがあり、自分の、あの時の、あの判断が正しかったのか、もしかしたら間違っていたのではないか、と苦く思い出されることもあります。
そういう「すごく怖い世界」に、一般国民を巻き込み、プロと同じ苦しみを味わっていただく、時には苦しみを一生背負っていただく、というのが、裁判員制度の一つの本質ということは言えると思います。それを、気休めやきれいごとでごまかすべきではないでしょう。