切断遺体の写真、証拠採用せず 裁判員裁判で徳島地裁

http://www.asahi.com/national/update/1119/OSK200911190041.html

畑山靖裁判長は「残虐さや社会への影響は他の証拠で証明されている。凄惨(せいさん)な遺体の写真は裁判員への精神的負担が大きい」と理由を述べた。
検察側は公判前整理手続きの段階から「真実が伝わらない」と写真1枚の採用を求め、弁護側は「裁判員がショックを受ける」と反対していた。地裁は「裁判員の意向を確認する」とし、17日の初公判でも採用を留保していた。

こういった問題は、東京都江東区で発生したバラバラ殺人事件の公判でも指摘されていて、それに関連して、本ブログでも

裁判員に不当な影響を与え判断を誤らせかねない証拠
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090202#1233503666

とコメントしたことがあり、その際に、

現代の裁判は、被告人に対する剥き出しの憎悪をストレートにぶつけ復讐心を満足させる場ではなく、被害者側の事情は適切に立証する必要はあるものの、あくまで国家刑罰権をいかに適正に行使するかを検討する場であるべきですから、そういった目的にふさわしくない立証というものは合理的に制限されることもやむを得ないと言うべきです。

と述べましたが、上記の記事にある徳島地裁の判断は、そういった観点で、証拠の必要性といったことについて一定の制限を加えたものと読み取れますね。
今後、こういった方向での裁判所の判断が積み重ねられて行く可能性はありそうです。