<痴漢行為>実刑判決の元教授、表情硬いまま

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071016-00000058-mai-soci

「天に誓って」と無罪を訴え、電車内の再現DVDまで製作して「真犯人」の存在を強調した。「一点のうそもなく対応してきた」と訴えたが、判決は主張をことごとく退けた。「性的欲求の赴くまま女性の人格を無視する甚だしい身勝手な犯行」「不合理な弁解で、反省は全くない。女性の精神的苦痛を増大させた」。神坂裁判長は、猛省をうながす言葉を次々と投げかけた。

証拠を見ていないので、この判決の当否を断定的には語れませんが、報道されている証拠の内容や証拠構造(特に目撃者の存在など)を見る限り、無罪主張にはかなり無理があるのではないか、という印象を受けます。
また、これは今月発売される「月刊監査役」中の拙文でも少し触れましたが、無理な無罪主張は、「反省」を重視する日本の刑事司法のカルチャーの中で、上記の東京地裁の厳しい量刑理由のように、「不合理な弁解で、反省は全くない。」といった形で厳しく断罪されることにつながり、わずかでも執行猶予の可能性があっても、その機会を失い、実刑、服役へと自らを追い込むことになりかねない、ということを、被疑者、被告人、また弁護人は常に念頭に置いておく必要があります。
いろいろな意味で、考えさせられる問題点を含み、日本の痴漢裁判史上に残る歴史的事件と言えるでしょう。