街頭募金詐欺、公判前手続きに1年11か月…大阪地裁(公判前整理手続・その1)

http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20071003p202.htm

今後、公判前整理手続について、本ブログでいろいろとコメントしたいと考えているので、「公判前整理手続・その1」としておきます。今後、その2、その3・・・と続けて行く予定です(どこまで続くかはわかりませんが)。

手続きでの主な争点は、被害者の特定だった。
検察側は募金した被害者のうち9人を特定したが、その他は「多数人」として特定せず、1人当たり1円〜1万円を被害額とした。弁護側は「被害者は約20万人おり、これほど多数を氏名不詳とするのは乱暴過ぎる」と反発、被害額算定の根拠などの釈明を求め、被害者の調書などの開示を請求するなどし結局、公判期日が決まったのは今年9月の21回目の協議だった。
集中審理のため、判決は年内にも言い渡されるといい、弁護側は「従来なら公判で論争するので、結審はもっと遅れただろう。判決までの期間を考えれば、審理短縮は明らか」とする。

近く公判前整理手続に入りそうな、ある事件を担当している関係で、文献や資料を読む、楽しい(?)毎日を送っていますが、その中で読んだ「公判前整理手続に関する冊子の作成・配布について(東京地方裁判所判事大島隆明・判例タイムズ1192号4頁)でも、「4 対象事件の選定」として、裁判員制度対象事件(公判前整理手続が必須)以外の事件の中で、どのような事件で公判前整理手続を採用するかが論じられていて参考になります。大島判事は、考慮すべきファクターとして、

1 争点及び証拠の整理の必要性の程度
2 当事者の意向
3 審理の迅速化に資するかという見極め

を挙げ、3については、

公判前整理手続は、それ自体、後にみるとおり、決して軽くない手続になることが予想され、事案にもよるが、ある程度の期間は要することが見込まれる。したがって、公判前整理手続に付することが、予想される公判審理の期間を合計した審理期間全体の短縮につながるかどうかも当然検討すべきであろう。
(8頁)

と指摘しています。
上記の大阪地裁での事件では、記事を見る限り、少なくとも2及び3は満たしているようで、おそらく、1の点も肯定される事件と思われますから、公判前整理手続選択は間違っていなかった、適当であったと言えるように思います。
ただ、事件によっては、選択を誤り通常手続で進めておいたほうが良かった、ということになる危険性もあり、裁判所だけでなく、当事者としても、手続選択にあたり慎重な検討が不可欠ではないか、と感じます。