警部補、調書を破る/志布志事件捜査で

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朝日新聞が入手した県警の内部文書によると、県警と地検が、刑事裁判の公判対策のために04年11月14日に開いた協議で、「調書破り」について「対策は必要ないか」などと話し合っていた。地検が「調書破りの件は承知しているが、当時聞いていたか」と質問すると、捜査を指揮していた警部(57)が「警部補との電話のやり取りで、調書を破ったという事実は聞いた」と回答。
同席していた警視は「事実を一部認める供述をしたので、警察調書を作ったが、詳細を詰めようとしたところ、否認し警察調書の内容はうそである旨供述したので、破ったとのことである」と話した。警部はさらに「コピーはとってあった。相手は警察に不利な内容の調書を破ったくらいに思っているかもしれないが、コピーはあるので対抗はできると考える」と発言、県警が「調書破り」の事実を隠そうとしていたことがうかがえる。

公用文書等毀棄罪(刑法第258条)における「公務所の用に供する文書」は、文書としての意味、内容を備えるに至ったものであれば完成している必要はない、というのが確立した判例であり、上記のような経緯であれば、調書を破り捨てることは同罪に該当する可能性が高いでしょう。
記事の中では、捜査幹部のコメントとして、「警官なら絶対にやらない。」とありますが、このあたりは、私の経験上も、絶対にやらないものなのかどうか疑問が残るところです。私自身は、直接、警察官がそういったことを行った、という経験をしたことはありませんが、検察庁内部において、警察ではそういうことが行われることはある、という話は聞いたことがあります。警察で絶対に行われないことを、鹿児島県警が、それもこの事件だけでやったとは考えにくく、一種の悪弊(犯罪行為ですが)として、全国各地で時々行われてきた、と見るのが自然でしょう。