わいせつビデオ出店 お断り 建物所有者ら罰則付き義務

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060830/eve_____sya_____005.shtml

これまで同庁は、建物所有者や仲介業者について、借り主が違法営業すると知りながら店舗を貸したとみて、わいせつ物頒布のほう助容疑で追及してきた。しかし、その認識を立証するのは困難で、六月に仲介業者の男(37)を逮捕した一例があるのみ。こうした違法状態の連鎖を食い止めるため、同条例に場所提供の禁止を盛り込むことにした。
改正で義務づけられるのは▽都公安委員会が出店規制を指定した新宿、渋谷、池袋など八区域のビル所有者に対し、借り主に違法営業をしないと契約時に誓約させる▽違法営業に使われた場合は解約できる特約を定める▽違法営業店でないかどうか定期的に確認する−など。
これらを所有者らが守らなければ、都公安委員会が勧告などを行い、さらに無視していると六月以下の懲役か五十万円以下の罰金とする罰則も設ける。同庁幹部は「違法業者とうすうす分かっていて店を貸す場合も多い。地域の浄化に取り組む住民として、建物所有者の責任を問いたい」と話している。

こういう発想が拡大されれば、貸した部屋について、テロ・ゲリラ、薬物密売等のアジトに使われないように監視する義務、居住者が違法行為を行わないように監視する義務、等々、いろいろな義務が科されてくる可能性があるでしょう。
確かに、国民が国民を監視する、というのは、治安の上でのWEB2.0のような面もあり、慢性的な人手不足に苦しむ警察当局にとって魅力的であるのはわかりますが、行き過ぎれば、旧東ドイツのような、「超監視社会」にもなりかねず、危険なものがあると思います。
「違法」かどうかを判断するためには、貸し主が、売られている商品のわいせつ性まで判断することになり、それが、「定期的な確認」程度で判断できるかどうか疑問です。また、上記のような「うすうす分かっている」といった、希薄な心理状態で、故意責任を問うてもよいのか、といった問題もあると思います。