賠償審理迅速に、殺人など刑事裁判証拠を民事も利用

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060813it01.htm

新たな付帯私訴制度では、刑事、民事の両裁判を同一の裁判官が行う。具体的には、刑事裁判の裁判官が裁判の判決後に、民事の損害賠償請求の審理も行う。刑事裁判の審理結果を基本的に踏襲するため、民事裁判では証拠調べを繰り返す必要がなくなる。審理は数回程度で終了し、簡易・迅速な審理で損害賠償額を算定し、決定を下す。

現在は、被害者保護法制度が整備されて、刑事事件で裁判所に出た記録は、一定の手続を経た上で被害者が閲覧、謄写できるようになりましたから、そういった資料を使って民事訴訟を起こすこともできます。
上記のような付帯私訴制度ができれば、前進とは言えますが、犯罪被害者にとって最も問題なのは、損害賠償を命じる判決が確定しても、それを執行して回収するだけの資力が、犯人側にないことが非常に多い、ということでしょう。
個人的には、犯罪被害者に対し、国が迅速に、給付金の支給や生活補償等を行い、その回収は国が犯人から行う、という制度を整備したほうが、実質的な意味での被害者保護になる、と思います。ただ、そういった方法は、財政面等で困難なのでしょう。