鹿県議選買収事件 自白の証拠能力17日にも判断

http://www.373news.com/2000picup/2006/05/picup_20060505_2.htm

自白以外に客観的証拠のない同事件で、調書を「門前払い」するのは審理打ち切りも同然。過酷な取り調べを主張するだけでは調書の証拠不採用決定は難しく、通常は調書の証拠価値を認めた上で、関係証拠と照らし合わせて起訴事実の真偽を審理するケースが多いという。

選挙違反事件では、関係者の供述調書が、検察立証の最大の拠り所ですから、それらが証拠能力を認められず却下されてしまえば、有罪の証拠はなくなってしまうでしょう。
私自身は裁判官の経験はありませんが、裁判官としても、任意性で切って証拠として採用すらしない、ということをやるよりも、証拠としては採用しておき、中身の信用性についても検討して、総合的に判断したい、と考える傾向はあると思います。任意性に問題があれば、一旦、採用した証拠であっても、判決中で証拠能力を否定し排除する、ということも、確かできたはずです(この辺は、記憶が曖昧ですが)。
ただ、これが裁判員が入る裁判であれば、証拠能力に問題がある証拠を目にしてしまうこと自体が問題ですから(職業裁判官の場合は、証拠能力と証明力を分けて考えることが、一応、できるはずであるのに対し)、証拠能力についての厳格な判断が、従来以上に要求されることになります。