大阪地裁 不同意調書で懲役 高裁破棄後、実刑

http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20130808-OYO1T00300.htm?from=main3

弁護人も、被害女性の供述調書のうち、被害状況や処罰感情などを述べた部分について「信用性を争う」と主張。12ページある調書のうち約10ページについて、証拠採用に不同意とした。
刑事訴訟法は、供述調書について「検察、弁護側双方が同意すれば、刑事裁判の証拠として採用できる」と定めている。このため、検察側は、弁護側が不同意とした部分について、裁判官が読めないよう、黒塗りするなどして裁判所に提出する必要があったが、何の措置も施さないまま調書全文を提出した。
その後、公判では、被害女性の証人尋問が行われ、被害状況や処罰感情などについて検察、弁護側双方が質問した。証言には一部曖昧な部分があり、地裁は今年1月の判決で「女性の記憶が薄れており、法廷証言より供述調書が信用できる」と判断。証拠採用されていない調書を引用して犯行を認定し、男性に懲役3年の実刑を言い渡した。

私は、検察庁在籍当時、公判立会に専従していた期間も通算で1年8か月ほどあるのですが、その経験に照らしても、かなり異例、異常な出来事、という印象を受けますね。
そもそも、公判に立ち会っている検察官にとって、調書の同意、不同意は極めて重要なことで、不同意部分を漫然とそのまま裁判所へ出す、ということはないですし、あったとしても、裁判所が見て、これはおかしい、ということに、普通はなりますから、まずは、その時点で是正されるはずです。
しかも、上記のケースで信じられないのは、不同意になっている調書が、証拠能力がないのに、証拠として引用されてしまっていることで、裁判所は、弁護人の不同意意見を、公判調書上で確認もしていなかったのか、まったくもって不可解です。
私が検察庁にいたのも、辞めてから約13年経ちますから、昔のことになりましたが、辞めるまで、こういった話は聞いたこともなく、弁護士の能力には昔からむごたらしく低いケースがありましたが、裁判官や検察官の能力も、かなり低下してきているのではと不安になります。裁判所、検察庁にはしっかりしてほしい、ということを強く感じました。弁護士も、検察庁はともかく裁判所がやっていることだから手続に問題はないだろう、と軽信せず、おかしいと感じたら、どんどん指摘する必要がありそうです。