サーバの押収

さる筋から、ライブドアが使用するサーバが押収された、という情報を聞きました。おそらく、ライブドア関係者が使用する社内メールに関するサーバが押収されたということでしょう。
ライブドアのサーバに、どの程度メールが残る仕様になっているのか、よくわかりませんが、捜査の手法としては、メールが重要な証拠である以上、サーバを差押さえ、残っている情報を検証するというのは、当然、踏むべきプロセスと言えると思います。
また、この点はなかなか理解されていない面がありますが、捜索・差押には、徹底して行うことにより、「証拠を確保する」という目的だけでなく、「証拠がないことを確認する」という目的もあります。
例えば、知能犯関係の捜査では、捜索先で、何も書いていない手帳があれば、何も書かれていなくても押収するのが通常です。何も書いていない手帳からは、何かがわかるということはありませんが、それを押収せず被疑者等の手元に残しておくことで、後にいろいろな書き込みがされて、犯罪事実認定を阻害する証拠にされてしまうおそれもあり、「手帳に何も書かれていなかった」ということ自体を証拠化するため、押収しておくわけです。
また、本来、残っているはずの証拠が、不自然に残っていない、ということが確認されれば、残っていない部分で、何らかの「まずい」内容があったという強い推定が働きますから、その後の捜査の上で、かなり役立つということも十分あり得ます。
ライブドアに対する捜索・差押も、上記のような観点から、幅広く徹底的に行われている可能性が高く、サーバの押収も、そのような観点も踏まえた上で見る必要があるでしょう。
(この件、某テレビ局から取材の申込がありましたが、顔出し取材は基本的にお断りしているので、ということで辞退しました。どうも済みません。>某テレビ局)

ライブドア>押収メール10万件 消去データも復元 地検
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060118-00000064-mai-soci