いじめ自殺、中学と市教委を捜索…滋賀県警

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120711-00001104-yom-soci

捜査関係者によると、捜索の容疑は、同級生数人が昨年9月、男子生徒に暴行した疑い。県警は、いじめと自殺の因果関係など事件の全容を解明するには、全校アンケートなどの資料の分析が必要と判断。非公開の資料もあるとみて強制捜査に乗り出した。
警察庁によると、いじめが背景にある事件の場合、学校や市町村の教育委員会から証拠の任意提出を受けるのが一般的で、捜索まで行うのは異例という。

私も、刑事司法の世界に入って随分経ちますが、こういった事件で学校や教育委員会強制捜査の対象になり捜索・差押が行われる、というのは聞いたことがないですね。警察としては、早期に捜索・差押を行わないと、重要な証拠品を隠蔽、廃棄したり、そういった工作について関係者が口裏を合わせたりする恐れが大きいと判断し、早期に、徹底した捜索・差押を行い証拠を確保するという方針をとったものと思われます。これまでの経過を見ていると、学校や教育関係者が、保身のため重要な証拠の隠蔽、廃棄等に及ぶ蓋然性は高いものと認められ、警察の、この措置は妥当なものでしょう。
「いじめ」といっても、行われていたことは、暴行等、刑罰法令に触れる可能性が極めて高い悪質なもので、自殺との因果関係は厳密には不明といっても、尊い生命が失われれるという深刻、重大な結果まで発生しています。大津市長が口走っているように、和解すれば、金を払えば、それで済むというレベルをはるかに超えたところまで問題はきており、捜査機関が、持てる権限をフルに発揮して、このような事態に至った過程における関係者の刑事責任を徹底追及すべきケースであることは、誰の目にも明らかでしょう。今後、滋賀県警や大津地検がどこまで真相を解明できるかに、大きく注目したいと思います。