テレビ東京「ガイアの夜明け」で「過剰な演出」 BRC

http://www.asahi.com/culture/update/0117/024.html

テレビ東京制作のドキュメンタリー番組で、高齢者相手にうなずくだけで2時間1万円を取る「うなずき屋」と紹介された男性が、「やらせ」があったなどとBRCに申し立てた。
BRCは1万円の授受の場面について、テレビ東京の申し出で、男性が「依頼人」にあらかじめ現金を渡していた演出だったと認定。「やらせ」に関与した男性は権利侵害を申し立てることはできないとしながらも、過剰な演出によって視聴者に重大な誤解を与えた一方、この前後で悪質な犯罪の手口を紹介した番組構成も、うなずき屋があくどい商売であるかの印象を与え、不適切だったと結論づけた。

問題となった番組は、

「消える高齢者の財産」
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview050614.html

といった内容でした。
申立人の了承がありましたので、ここで紹介しますと、この件は、申立前から私のほうで相談を受け、いろいろとアドバイスを行い、指摘すべき事項を検討したり、書面の原案作成に関わる、といった方法でサポートしていたものでした。所期の目的がほぼ達成されたようで、ほっとしています。
申立人に対しては、私以外にも、いろいろな方々のサポートがあったとのことで、そういった方々の努力や熱意もあった結果、今回の決定に至ったと言えるでしょう。
BRCへの申立にあたり、裁判所への提訴等も検討しましたが、裁判では、放送局側の行為の「違法性」しか判断してもらえないのに対し、BRCでは、違法性にとどまらない放送倫理上の問題まで幅広く検討してもらえる余地があり、また、迅速に名誉回復が図れる可能性が高いため、提訴については追って検討することにした上で、BRCへの申立を選択したものでした。他のニュースによると、BRCは、テレビ東京による行為の違法性までは認定しなかったようで、その判断が妥当かどうかはともかく、それにもかかわらず上記のような認定が得られたことは、申立人にとって非常に意義があることだったと思っています。
テレビ放送にあたり、表現の自由が最大限認められる必要性があることは言うまでもありませんが、不適切、不用意な番組作りは、今回のような事態を招きかねません。テレビ東京の看板番組とも言える「ガイアの夜明け」(日本経済新聞社も制作に大きく協力しているようです)において、このような判断が示されたことについて、関係者は謙虚に受け止め、今後の番組作りに真摯に生かして行くべきであると思います。

放送倫理違反:テレビ東京のドキュメンタリー番組に
http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/tv/news/20060118k0000m040024000c.html
テレビ東京に放送倫理違反…「放送と人権委」が見解
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060117i514.htm
BRC、テレビ東京番組で「放送倫理に反する」との決定
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060117AT1G1702X17012006.html
ガイアの夜明け」放送倫理違反
http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20060117048.html
過剰な演出で放送倫理違反 テレ東「ガイアの夜明け
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=home&NWID=2006011701003781
過剰演出は放送倫理違反=テレ東の番組でBRC
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060117-00000092-jij-soci
過剰な演出で放送倫理違反 テレ東「ガイアの夜明け
http://www.sankei.co.jp/news/060117/bun062.htm