「被疑者の身柄を拘束しないで下さい」という弁護人作成の上申書に、わけもわからず立腹し返却してくる警視庁の某警察署生活安全課

愚かしい警察官の話を、いちいちブログで紹介しても仕方がないので、基本的には紹介していませんが、あまりにも馬鹿馬鹿しい警視庁の某警察署の話を一つ。
ある刑事事件について依頼があり、身柄拘束もあり得たため、罪証隠滅、逃亡の恐れがないことや、被疑者が定職に就いていること、健康状態がすぐれないことなどを記載した警察署長宛の上申書(ごく普通の丁寧な内容)を、警察署宛に郵送しました。
その後、担当者に電話したところ、「なぜこんなものを送るのか。こんなことは警察が決めることだ。」などと、立腹しており、私が「警察に指図する趣旨ではない。あくまで依頼であり、検討してほしいという趣旨である。」旨説明したにもかかわらず、その後も、被疑者に対し、ぐずぐずと文句を言い、上申書をわざわざご丁寧にも被疑者経由で私に返還してきました。
刑事手続の中で、弁護人が裁判所、検察庁、警察等に対し、いろいろな要望を述べ、はたらきかけるのは、正当な弁護活動であり、そういう活動に対し、いちいち立腹する警察というのは、刑事手続の何たるかを理解していない、愚かな警察と言うしかないでしょう。
こういった書面を弁護人が提出してくれば、内容を見て検討し、それなりに理由があると判断すれば考慮すれば良いし、理由がないと判断すれば採用できないだけのことです。立腹するという精神構造がよくわかりません。多分、無知で幼稚なのでしょう。
首都の治安を預かる警視庁の警察署に、こういった愚かな警察官がいることに、少し驚きました。
検事から弁護士になり、いろいろな人から、検事時代には聞けなかったような話も聞くようになりましたが、警察に対する不信感を持っている人が多く、その理由を聞いてみると、問題のある不適切な対応をされたから、という場合が非常に多いですね。自分たちの愚かな、不適切な振る舞いが、自らに対する信頼、信用を失わせ、ますます仕事がしにくくなっているということを、心ある警察官であれば認識したほうが良いでしょう。
受任した事件のほうは、何とか在宅捜査になりそうですが、こういった愚かな警察官が捜査を行っているようでは、先行きが思いやられます。こういう警察官は、弁護人やその他のいろいろな事件関係者と、無用なトラブルを引き起こし、不信感を抱かれ、いずれ大きく失敗する可能性が高いでしょう。

追記:

この警察、他にも常識では考えられないことをやっており、しかるべき筋のご協力も得て、課長代理に対し、電話で思い切り文句を言ってやりました。
たまたま小さな事件についているからといって、しがない弁護士と軽信し、なめた真似はしないほうが身のためですよ。