http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/11/12/2012111200917.html
送致指揮権の問題は、昨年末に検察・警察間の捜査権を調整する際にも争点となった。当時、警察による独自の捜査開始権を刑事訴訟法に明記する代わり、人権侵害論争を招きかねない「二重捜査」を防ぐため、警察が捜査する事件の送致を検察が命じられるようにした。
検事が法律上の要件を満たした上で送致指揮権を発動した場合、警察は従わなければ処罰を受けることになる。警察が送致指揮権を拒否した前例はない。
韓国での話ですが、検察と警察が、検事の収賄被疑事件について、ともに捜査の主導権を握ろうとしていて、興味深いものがありますね。
日本の場合、刑事訴訟法で、193条3項、4項に
3項 検察官は、自ら犯罪を捜査する場合において必要があるときは、司法警察職員を指揮して捜査の補助をさせることができる。
4項 前三項の場合において、司法警察職員は、検察官の指示又は指揮に従わなければならない。
という規定があり、194条で、
1項 検事総長、検事長又は検事正は、司法警察職員が正当な理由がなく検察官の指示又は指揮に従わない場合において必要と認めるときは、警察官たる司法警察職員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会に、警察官たる者以外の司法警察職員については、その者を懲戒し又は罷免する権限を有する者に、それぞれ懲戒又は罷免の訴追をすることができる。
2項 国家公安委員会、都道府県公安委員会又は警察官たる者以外の司法警察職員を懲戒し若しくは罷免する権限を有する者は、前項の訴追が理由のあるものと認めるときは、別に法律の定めるところにより、訴追を受けた者を懲戒し又は罷免しなければならない。
という規定があります(懲戒、罷免が問題になったことはないと言われています)。日本で、検察官が自ら捜査する場合に、警察に、同一事件について、捜査しないよう指揮する権限があるかどうかは微妙ですが、通常は、こうした指揮権を背景に、検察が主導権を握りつつ捜査を進め、警察はそれに応じざるを得ず泣き寝入りして、裏で文句をいったりマスコミに垂れ込んだりする、という経過をたどりがちでしょう。
韓国では、日本の戦前の刑事訴訟法のように、検察官が捜査を主宰する、という仕組みであったものが、近時、上記の記事にあるように、警察の捜査機関としての独立性を認める動きが出てきていて、その際の調整のために、「送致指揮権」というものが認められてきているようです。以前、韓国・ソウルへ行った際に、見学した警察署で、こうした動きに関する話題が出たこともあったので、
韓国・ソウルの警察署
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20051103#1130955899
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