ヤフー創業者、中国公安への中国人記者情報提供で釈明

http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?i=2005091006974ba

この問題は、非常に根源的な問いを含んでいると思います。例えば、ナチスアウシュヴィッツ収容所が運営されるためには、ユダヤ人殺害のためのチクロンBを収容所に納入する業者(当然、それが何のために使用されるかわかっていたでしょう)など、様々な協力者がいたはずです。当時の状況で、ナチスの指示があれば従うしかなかったはずであり、従わなければ「違法」行為に及んだとして処罰を受けたことでしょう。自らも強制収容所へ送られるといったことになっていたかもしれません。
表現の自由が保障されていない国は世界に多数あり、そういった諸国でプロバイダとしてサービスを提供する中では、上記のニュースで報道されているような問題も不可避です。
こういった状況で、いかに身を処すべきか、非常に難しい問題だと思います。
外務省の訓令に反してもビザを発行して数千人のユダヤ人を救った杉原千畝、自らの危険を省みずハンガリーユダヤ人保護に努め多数のユダヤ人を死の淵から救出したラウル・ワレンバーグのような行いは、なかなかできないものです。
その後の杉原千畝を待っていたものは外交官の地位を失うことであり、ワレンバーグに至ってはソ連軍に抑留され非業の死を遂げており、不朽の名声を得たものの、幸福な人生は送れませんでした。彼らは偉大だと思いますが、普通の人々が、どこまで彼らを見習うことができるでしょうか?