ネット中傷を抑止、侮辱罪厳罰化で懲役刑導入の刑法改正を諮問…テラスハウス事件が契機(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
侮辱罪は、公然と人を侮辱した行為に適用される。明治時代からある規定で、元々は悪口を人前で言ったり、家にはり紙をしたりする行為が想定されていたが、ネットの投稿も対象になる。
侮辱は、刑事、民事を通じて、事実摘示による社会的評価低下に至らない、名誉感情を侵害するものという位置付けですが、批判、非難を厳しく行う中で侮辱的な言辞に至ることもあり、違法性が微妙な発言でありつつ、表現の自由の保護の対象として見るべきものもあります(典型的なのは政治家に対する発言でしょう)。
それが、民事はともかく刑事で懲役刑の対象になれば、表現の萎縮を招くことにもなりかねませんし、政治家への批判、非難が侮辱罪として弾圧の対象になる、といった事態も起き得ます。警察権力というのものが政治の侍女化しがちな現状では、杞憂とは言えないでしょう。
今後の法制審議会のおける検討では、単に厳罰化というだけでなく、処罰濫用を防止する方策も検討される必要があると思います。