ひき逃げ「求刑軽い」、検察側に釈明命令…岡山地裁

http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20050827p402.htm

このニュース、岡口裁判官のブログで知りましたが、こういうことをする裁判官がいるんですね。初耳です。
求刑というのは、所詮、検察官の「意見」です。裁判所は検察官の求刑に拘束されず、求刑を上回る刑を宣告することもできます。本ブログでも、以前、コメントしたことがあります。

「刑軽すぎる」と検察批判、求刑上回る判決 大阪地裁
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20041001#p4

「求刑が軽い」などと言って釈明することが、釈明権の濫用として違法とまで言えるかどうかは微妙ですが(上記のニュースでコメントしている土本教授は「妥当性を欠く」とするものの違法とまでは言っていません)、無用な混乱を引き起こすだけの無意味な釈明と言えると思います。
裁判所から、こういった釈明を受けて、あわてて求刑を引き上げる検察庁の見識(何を考えて求刑を決めているのか?)も問われるでしょう。

追記:

本エントリーについて、読者の方から、「記事に事実誤認があるのではないか」「不用意に求刑をこえる判決をなせば審理不尽となり、適正手続に反する可能性がある」「(誤った論告・求刑が行われた場合に)検察官の補正義務を行使する機会を与えなければ、適正手続に反することになる」といったご指摘がありました。傾聴すべきご意見と思い、紹介しておきます。
記事の内容を前提に、私自身、上記のようにコメントしていますが、裁判所なりの考えがあり、また、記事に現れていない事情があった可能性もあり、この釈明の意義については慎重な検討が必要かもしれません。