「日航機123便墜落 最後の証言」「日航機事故の謎は解けたか」

日航機墜落事故から今年で38年で、事故の日を中心に報道が相次ぎましたが、前に読んだことがある「最後の証言」を再読し、その中で紹介されていた「謎は解けたか」を新たに読んでみました。どちらも2010年代になって出た、比較的新しいものです。

比較的新しいだけに、どちらも、歴史の中にある日航機事故を振り返り検証するという視点で書かれており、「最後の証言」は関係者のインタビューを重ねて当時の状況を改めて浮き彫りにし、「謎は解けたか」では、各種資料を精査して、今なお議論がある事故原因について検証しています。

双方を読んでいて感じたのは、事故について解明されていない部分は残るものの(特に急減圧があったかという点)、証拠や飛行データに照らせば、その前の尻もち事故後の修理ミスに起因する圧力隔壁の破壊、それによる垂直尾翼の損壊、操縦不能に陥っての墜落という原因自体は動かないように思われました。ミサイルによる撃墜説までありますが、仮にそういった事実があれば、当時の撃墜側の関係者の口を完全に封じることは不可能であり、また、データからもそうした可能性は否定されていて無理があります。

事故後、関係者が献身的な努力で事故原因解明や再発防止のため努力していたことが両書では紹介されていて、犠牲者のご冥福をお祈りしつつ、尊い犠牲が決して無駄になはっていないということを改めて痛感しました。

このような悲惨な事故が起きないように、それぞれが、地道な努力を積み増さねていく必要があるでしょう。