著者は、沖縄外の出身者で現在は沖縄に在住している人ですが、著者なりの視点で、沖縄が抱える問題点、閉鎖性や排他性、上昇志向の乏しさなどを体験を交えつつ書き綴っています。途中から、著者の処世感、人生論のようなものも展開されて、題名をはみ出した部分も結構ありましたが、全体としておもしろく読めた感じでした。
著者も自認していますが、著者が語るのは沖縄に限定された問題ではなく、日本の都会ではない地域が共通して抱えるものではないかと私も感じました。私自身、高校卒業までは広島の非都会で生まれ育ち、社会人になってからも、検察庁で非都会エリアで勤務したこともあり、著者の見方に共感する部分もありましたり、ちょっとオーバーに捉えすぎでは、一般化が過ぎているのではと感じる部分もありました。その辺が、賛否両論を呼んでいるのでしょう。
賛否、いずれの立場に立つにせよ、刺激的で問題提起にもなっている、なかなか読み応えがある一冊だと思います。