黒川元検事長「起訴相当」 東京地検、再捜査へ

黒川元検事長「起訴相当」 東京地検、再捜査へ(共同通信) - Yahoo!ニュース

地検は今年7月、黒川氏が同4~5月に計4回、知人の産経新聞記者宅で、同紙記者2人と朝日新聞元記者の社員1人の計4人で賭けマージャンをしたとして、賭博罪の成立を認定。その上で、社会的制裁を受けたことや、事実を認めて反省したことなどを踏まえて起訴猶予処分にした。

刑事実務上、賭博罪で立件され処罰されるのは、暴力団などの組織的背景があったり(賭博は暴力団の主要な資金源の1つとして位置付けられます)、レートが高い、といった悪性が特に強いものであって、仲間内で小規模に賭けて遊んでいた、というケースは、普通、立件されませんし、何らかの事情で立件されても起訴猶予で終わるものです。そういう流れの中で見れば、本件でも起訴猶予というのはあり得ない処分ではありません。

しかし、特に黒川氏については、天皇の認証を受けた認証官である東京高検検事長という高位高官の地位にあり、法と正義を厳正に実現すべき立場にありながら、しかも、コロナの関係で日本全体が非常事態宣言下にある状況で、繰り返し賭け麻雀に遊び興じていたもので、そういう特別な悪性を考慮して罰金刑に処してけじめをつける、という処分が適切であったということでしょう。

再度の不起訴になった場合、検察審査会の再度の起訴相当議決により強制起訴ということも十分にあり得ますし、指定弁護士が補充捜査を行うなどして、常習性が認定されるとして、賭博罪と公訴事実の同一性がある常習賭博罪で起訴することもあり得ないわけではありません。

つまらないメンツに拘泥せず、黒川氏を罰金刑に処しておいたほうが、国民感情に沿うものになり、また、下手にずるずると事態を引っ張らず、黒川氏の社会復帰にも資することを、法務・検察当局は認識すべきでしょう。