責任はマンション住人が負う可能性~逗子斜面崩落・女子高生死亡事故

責任はマンション住人が負う可能性~逗子斜面崩落・女子高生死亡事故(ニッポン放送) - Yahoo!ニュース

今回については、その土地はマンションの下の部分ですよね。そこには擁壁というものがあって、その上の法面(のりめん)と言われる土地だと思うのですが、これは結局所有者がしっかりと管理していかなければいけないということで、管理に瑕疵があると所有者が無過失で責任を負うということになっているのですよ。これは寝耳に水だと思います。

 民法不法行為における「土地工作物責任」では、こういった施設・設備が本来持つべき安全性を持っていなかった場合、所有者は無過失責任を負うことになります。突然、崩れて歩行者が死亡するという事故が起きること自体が、本来あるべき安全性を備えていなかったということになりますから、所有者(本件では、おそらくマンションの区分所有者)が損害賠償責任を免れることはできないでしょう。

こういった形態の事故は多くはないとは思いますが、傾斜地に建っているような建物は結構あるものですし、古くなって建物の外壁や看板が落下して歩行者が死傷するという事故は時々起きています。必要な安全対策を講じておかないと、思わぬところで事故が起き責任を負いかねないという、貴重な教訓を含む事故だと思います。