熱海土石流、殺人容疑の告訴状を受理…遺族側「盛り土業者側に未必の故意」

熱海土石流、殺人容疑の告訴状を受理…遺族側「盛り土業者側に未必の故意」(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

告訴されているのは、盛り土を造成した神奈川県小田原市の業者と現在の土地所有者。遺族側は告訴状で「(業者や土地所有者は)安全対策を取らなければ、居住者を死亡させる恐れが大きいと知りながら死に至ってもやむを得ないと考えていた」と主張。弁護団は「人が死んでも構わないという『未必の故意』があった」と説明している。

告訴というのは、刑事訴訟法上「捜査の端緒」と位置付けられ、犯罪が成立するから受理する、成立しないから受理しないというものではそもそもなく、特定の犯罪の嫌疑があれば受けて捜査をする、そういう性質のものです。

本件では、大雨を機に盛り土が崩れ複数の死亡者が出て、盛り土の管理の在り方に絡んで刑事責任が生じる、一定の嫌疑は存在し、そこを故意と評価するか、過失と評価するか、故意も過失も認定できないのかは、捜査を遂げた上で判断すべき問題でしょう。

現時点で、捜査対象となる事象が明確になっている以上、殺人と構成した告訴状を受理しても、今後の操作に支障はないでしょうし、受理されたから捜査機関が殺人が成立すると考えているということにもなりません。あくまで捜査がこれから展開されていく、その入口段階にあるということです。誤解やあらぬ期待をせずに、冷静に見ていく必要があると思います。