ウソ自白や冤罪防ぐ、取り調べに「心理学」活用

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180729-00050041-yom-soci

「心理学」を取り調べの適正化につなげようという動きが捜査当局の中で広がりつつある。虚偽の自白を防ぎ、冤罪(えんざい)を防止するためで、警察や検察が心理学者の講義や研修を相次いで導入している。自白の信用性が崩され、再審開始決定や無罪事件が相次いだことなどが背景にある。

私自身、かつては取り調べる立場にいて、若手検事の頃は、当時は数少なかった取り調べ技法に関する本を読んだり、著名事件の取り調べに関する文献を集めたりしていたものでした。必ず自白させるという熱意をもって臨む、とか、とかく精神論が強調されがちで、科学という視点が欠落しがちであったこの分野に、遅まきながらこうした動きが出ていることは良いことだと思います。
今後、どういう状況になっても、取り調べの重要性が低下することはないでしょう。被疑者、被告人の権利を保障することも重要ですが、いくら科学技術が発達しても、それだけで真相が解明され尽くされるものではなく、取り調べにより得られた良質な信用性のある供述で、初めて解明される真実は必ずあるものです。そのことを、記事を読み、また、取り調べる側で苦労していた当時のことを思い出しつつ、改めて感じました。