戦後政治を終わらせる 永続敗戦の、その先へ

 

 著者の「永続敗戦論」は、かなり注目されましたが、これはその後に著者が行った大学での講義をまとめたもので、なかなか読めずにいたのをやっと読むことができました。

元が大学の講義であるだけに、わかりやすく噛み砕いた内容で、私のような政治の素人にも読みやすいものがありました。

著者の考え方にどこまで賛同するかはともかく、愛国を喧伝し、現憲法についてアメリカの押し付けとして、自主憲法制定を叫びながら対米従属に疑問を抱かず、沖縄の基地負担に冷淡を決め込むような「親米保守」の在り方は、それ自体、大きな矛盾を抱えています。

今後の日本の進路について、いろいろと示唆に富む知見に触れることができて参考になりました。