DJポリスに警視総監賞、ペア組んだ女性警官も

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130611-00001081-yom-soci

2人は、サッカー日本代表がワールドカップ(W杯)出場を決めた今月4日夜、東京・渋谷駅前のスクランブル交差点で熱狂する多くの若者たちを軽妙な語り口で誘導。雑踏警備をした警察官に同賞が贈られるのは初めてで、同庁は「警備に大きく貢献した」と話している。
表彰されるのは同庁第9機動隊所属の20歳代の男女。「怖い顔をしたお巡りさんも心の中ではW杯出場を喜んでいます」「皆さんは日本代表の12番目の選手です」など、巧みな話術で若者たちを混乱なく誘導した。

私は、検察庁に11年余りいて、その間、警察との接触とが多く、その後は、しがない弁護士として、別の角度で接するようになって現在に至っていますが、従来の警察は、パワフルさを重視し、発生した事件を(特に難事件を)、パワーに物を言わせて鮮やかに解決するようなことが称賛される、いわゆる体育会系のマッチョな組織、という性格が強く、それが、国民の感覚と次第に遊離し、孤立して、国民、社会にうまく適応できずまずます迷走を深めている、というのが、現在の警察が置かれた状況、姿ではないかと思います。警備も、従来は、機動隊が盾や警棒を持ち力で威圧しようとして、かえって反発を呼び混乱、衝突を招きやすい側面があったと言えるでしょう。
もちろん、なよなよとした、弱い警察では、その職責を全うすることができませんが、硬軟とりまぜてうまく接し、力で押さえつけるだけでなく、市民の気持ちをうまく捉えて協力を求め、説得、納得で物事を進める、そういうことができる人材を育成し(必要があれば外部からも招聘し)うまく処遇する、ということが、今後、ますます求められていると思いますし、上記のような警察官に、警視総監賞を授与するというのも、警察の上層部が、そういったニーズ、方向性ということをかなり意識してのものではないかと推察されます。
上記の、当夜の渋谷で、あれだけの人々が集結する状態で、力で遮二無二押さえつけるようなことをやっていれば、反発した人々により、一帯が大混乱になり、多数の負傷者(場合によっては死者)や逮捕者が出たことは十分考えられることで、巧みな話術や機転が、実は、多くの人々を救い、警察への反発、反感を防いで、むしろ好感を与えた、ということは、十分に警視総監賞に値する(警察庁長官賞でも良い)と、率直に感じます。
こうした、良い先例に、うまく学んで、全国の警察で、今後の警備に生かしてほしいと思います。