中央大学が理事長解任、系列中学の不正入試で

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121029-OYT1T01503.htm?from=ylist

同大は解任理由について「不正入試に関与した責任を認めず、学園全体を混乱させたため」としている。問題を調査した同大の第三者委員会によると、同中側は久野理事長から「大学にとって有力な先輩の子弟なのでよろしく頼む」と伝えられ、この受験生は合格ラインに達しないまま合格とされていた。
久野理事長側は決定を不服としており、関係者によると、「突然合格が取り消された子供の人権をきちんと考えるべきだ」と話しているという。

確かに、受験者自体に問題(書類虚偽記載とかカンニング等)があったわけではなく学校側に問題があって、一旦、合格としたものをその後取り消した措置には、いかがなものかと思われるものがありますが(ただ、こういった合格をそのままにしておくべきだったか、と私は思いますので、微妙です)、そういう事態を作りだした張本人が「突然合格が取り消された子供の人権をきちんと考えるべきだ」などと言える筋合いではないでしょうね。
この人は、本人がインタビューで語るところによると、若い頃、

気骨の判決―東條英機と闘った裁判官
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080816#1218846927

でコメントしたことがある、吉田久・元大審院判事の書生をやっていた時期があるとのことですが、一体、何を学んでいたのか、吉田氏も、自分の下で書生をやっていて出身校の中央大学理事長まで務めた人物が、このような不祥事を引き起こした上、解任されるまで居座り辞めないという醜態をさらして世間の物笑いの種になっていることを、さぞあの世で嘆いていることであろう、と感じました。
元理事長は、吉田氏のお墓参りでもして、お墓の前で自分の胸に手を当て、何が悪かったのか、どうすれば良かったのか、よくよく考えてみるべきでしょう。
いかに、学校法人への貢献度が高い人物の親族であっても、点が足りないものを無理に押し込むようなことをすれば、本人のためにならず、事情を知る(知られずにはいられないでしょう)周囲の反感、問題視を招き、こうした深刻な問題に発展することは十分予想できた上、結局、受験生を大きく翻弄することになりその人生に拭いがたい汚点を残し、おそらくはその心にも大きな傷をつけたことは想像に難くありません。家族や周囲の関係者に、一旦は合格とぬか喜びさせその後一転して不合格と大きく落胆させたことも見逃せないでしょう。その原因を、理事長という重職にありながら作り出した責任すら自覚できず認めない者は、解任という形で放逐されてもやむを得ないと、吉田氏が存命であれば、厳しく言ったことだろうと思います。