東日本大震災:生存教諭の手紙を公表…大川小の説明会

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20120123k0000m040118000c.html?inb=yt

あくまで想像ですが、あの極限状態の中で、本当に教頭先生も迷われたのだと思います。ずっと強い揺れが続いており、木が倒れている(錯覚だったのかもしれませんが、皆そのように見えていたと思います。私も子供と山の中にいたとき、何度も揺れるたびに周囲の木が折れて倒れる音を聞いています。そのたびに場所を変えたのですから)状況の中、道もない山に登らせるのをためらわれたのだと思います。せめて1本でも道があれば、教頭先生も迷わず指示を出されたと思います。それだけに、最後に山に行きましょうと強く言っていればと思うと、悔やまれて胸が張り裂けそうです。

私は、幸いにして今のところ人の生死に関わるような判断をする場面に立たされたことはありませんが、社会に出てこういう仕事をしていると、それなりに重要な判断をしたことはあり、そういった際には、何度も迷っては考え直す、といったことを繰り返したこともあって、上記の手紙、特に引用した部分は、重い意味を持つものとして何度か読み返しました。
どういう結果が出たかわかっている我々が、当時の教頭の判断を批判するのは難しいことではなく、確かに、その判断には誤りがあったのかもしれません。ただ、かわいい児童たちを、倒れる木の中、山を登らせることに躊躇を感じた教頭の気持ちにも、共感できるものはあります。
今後、この教訓を生かして災害対策は充実するはずであり、また、充実したものにならなければなりませんが、あの日、あの時に大川小学校で起こったことは、今となっては取り返しがつかず、それだけに、人々の中で、なぜ、どうしてと自問を繰り返しながら、答えを見つけることができないまま、いつまでも追憶されることになるのだろうと思います。私自身の中でも、重く苦い気持ちで、繰り返し振り返ることになるでしょう。