裁判員裁判:由利本荘の男児死亡 被告に懲役2年6月−−秋田地裁判決 /秋田

http://mainichi.jp/area/akita/news/20100522ddlk05040010000c.html

11カ月の長男をパチンコ店駐車場に止めた車内に約3時間放置して死亡させたとして保護責任者遺棄致死罪に問われ、県内2例目の裁判員裁判となった

当初から事実関係に争いはなく、量刑が争点に。馬場裁判長は被告が以前にも長女を放置して注意されたことがあり危険性の認識はあったと指摘。さらに「事の重大性や責任の受け止めが表面的なものにとどまっていると思われる」として実刑が適当とした。
一方で子供に愛情をもって接していたことや家族が被告の帰りを待っていることなどを挙げ、同罪の法定刑(3年以上)を下回る懲役とした。
弁護側は「病的賭博ギャンブル依存症)」と判断能力の低さによる認識と意志の弱さがあったとして執行猶予付き判決を求めていたが、馬場裁判長は「影響は一応認められるが、刑執行を猶予すべき事情ではない」と述べた。

この種の犯罪は、従来、執行猶予が付されることが多かったと思いますが、裁判員が入った裁判体の判断はなかなか厳しいな、という印象を受けますね。結果の重大性が重視されているのではないかと推測されますが、「遺棄」とはいえ、山の中に捨ててきたような事案とは異なり、異論なく実刑事案かというとそうでもなく、別の裁判体であれば執行猶予が付されるということもあり得るでしょう。そういった判断のブレのようなものを、本来、是正するのが高裁なのですが、高裁としては、そういったブレはやむを得ないもので、裁判員様が入って判断したものには介入しないという姿勢で、やはり臨むのでしょうか。
裁判員制度の抱える本質的な難しさというものを、改めて強く感じてしまいます。