管制官:相次ぐ不祥事 業務取り巻くさまざまな問題浮かぶ

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110918k0000e040001000c.html

「大多数はまじめに頑張っているが、仕事量が増えても給料は上がらず、不満を抱く同僚も少なくない」と話すのは羽田空港での勤務経験のある40代管制官。羽田は24時間勤務で早番、遅番、夜勤、夜勤明け、公休、昼番が続き、土日の休みはほとんどない。職場でも管制官以外との接触は乏しく、閉鎖的な人間関係になりがちという。「こうした生活で常識的な感覚を失うことが背景の一つかもしれない」。コンコルドの飛行計画をコピーし記念に持ち帰った同僚もいたと明かす。
航空評論家の清水喜由さんは「有資格者だけの特殊な世界。人事交流も少なく、なれ合いが起きやすい」と指摘。「大きな事故が起こる前に、外部の目できちんと監査できる体制を整えることが必要だ」と訴える。

似たような話を聞いたな、と考えてみると、検察庁でした。仕事は異なりますが、閉鎖的な職場環境の中で常識的な感覚を失い、証拠を改ざんしたり、言ってもいないことを調書に盛り込むことを当然視する、といった検察庁の現状も併せて考えると、専門家集団が陥る恐れがある陥穽、といったことを考えさせられます。
記事では、管制官に対して外部から監査する必要性が指摘されていますが、こういった問題を抱えやすい専門家集団では、中途採用を継続的に行う、出向等で別の仕事、職場を経験する機会を作る、実績や能力に応じて給与等も上下させモチベーションを高めるなど、複数の方法をうまく組み合わせ、健全性を維持する努力が常に必要ではないか、ということを考えさせられました。