「獄中日記 塀の中に落ちた法務大臣の1160日」

 

雑誌に連載されていることは知っていたのですが、まとめて出版されたので通読してみました。

時々、こういう獄中記を読むと、その時々の施設内処遇の状況がわかるのですが、本書では、著者が収容されていた喜連川社会復帰促進センター内の様子が詳述されていて、参考になるものがありました。

特に感じたのは、死ぬほど暑かったり死ぬほど寒かったりという、そういう状態は、受刑者を単に苦しめるだけで何の益もなく、健康を損ないかねませんから、手厚くまではしないにしても、ごく常識的な冷暖房、空調設備は刑務所といえども設置するべきだということでした。

日本の歴史上、法務大臣と受刑者の双方を経験した人はなく、今後もなかなかいないと思いますから、その貴重な経験を生かして有益な活動をしてほしいものだと思いました。