警視庁:公安部資料流出 文書は少なくとも114点

http://mainichi.jp/select/today/news/20101101k0000e040064000c.html

「捜査協力者」の文書は、国際テロ組織「アルカイダ」とも関係が指摘される捜査対象者のイスラム教徒などの周辺で警視庁の捜査に協力している人物の情報を記していた。名前や住所などのほか、接触状況や「聞き取った捜査情報」も詳述されていた。警察作成の文書だったとすれば、公開を想定していないとみられる。

警察関係者は、仮にこうした情報が流出したとすれば、「協力者」の生命に危険が及んだり、国際的な治安機関同士の信頼関係を失うことにつながりかねないと指摘する。国際テロに詳しい警察OBは、「警視庁外事3課の扱う情報は秘匿が前提。海外の治安機関も情報提供に慎重にならざるを得なくなり、APEC対策への影響も否定はできない」と指摘する。別の警察幹部も「情報の内容が一担当者の範囲にとどまらない印象」と危機感を募らせている。

私は、一応、元東京地検公安部検事なので、警備・公安の分野の実態もそれなりにわかるのですが、情報提供者が特定されてしまうような情報流出は、極めて深刻な事態と言うしかないですね。そういうことが起きるようでは、今後、協力を得ることが困難になり、情報収集に多大な困難が生じることになるでしょう。記事にもあるように、そういった間抜けな組織に大切な情報を提供しようという情報機関はないはずで(提供した機関や関係者にも危険が及びかねないでしょう)、それでなくてもこういった分野では遅れを取っている日本が、ますます遅れてしまうということになりかねません。
警備・公安というと、得体が知れない、暗いイメージが付きまといますが、日頃からの地道な情報収集こそが、重大な危機を未然に阻止し人々の生命、身体等の安全を守るということは忘れられるべきではないでしょう。その意味で、今後への様々な悪影響が強く懸念されます。