豪雨犠牲の親子、激流も断てなかった「絆」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090815-00000123-yom-soci

家族4人で避難中に死亡した兵庫県佐用町本郷の会社員井上利則さん(40)一家。井上さんと長男の小学1年、唯人(ゆいと)君(7)は、10日、自宅から南東約6キロの同町円光寺の田んぼで、寄り添うようにして見つかった。
「お父さんの腕と子どもさんの腰は、ロープできつく結ばれていたんですよ」
井上さんの弟、英二さん(36)は、遺体と対面した際、担当警察官からそう聞かされたという。英二さんは「たとえ流されたとしても、子どもと絶対離れないように工夫したに違いない」と唇をかんだ。

井上さんの妻、さなえさん(32)は11日に発見された。その前日には長女の保育園児、優里(ゆうり)ちゃん(4)も近くで見つかった。激流の中、身を寄せ合っていたとみられる。2人の子の顔には、かすり傷もほとんどなかったという。さなえさんが持ち出した黒いバッグが遺品となった。中には、唯人君と優里ちゃんの着替えの服が詰まっていた。

ロープできつく結ぶ、という作業を、戸外で行ったとは考えにくいので、自宅内にいた際に、既に増水した状態になり、離れてしまわないように結んだのではないかと推測されます。そういった状態で戸外へ出る、という判断が適切ではなかったというのは、やはり結果論になってしまうでしょう。
痛ましい事故でしたが、こういった取り返しがつかない悲劇を生まないために、できることはなかったのかと考えてしまいます。必要なことは、天候に関する最新の情報が被災しそうになっている地域の人々に伝えられることで、そのためには、やはりインターネット、特に即時性が強いツイッターのようなサービスの活用が考えられるべきでしょう。
豪雨で河川が増水し洪水状態になる、といった状況の中で、戸外へ出て避難すべきかどうか、ぎりぎりの判断を迫られるということも、今後も起きてくると思われますが、正解というものはないとしても、上記の記事にあるような具体例から引き出される教訓をできるだけ広く共有して、被害を防止する努力ということも必要ではないかと思います。