零戦と戦艦大和

零戦と戦艦大和 (文春新書)

零戦と戦艦大和 (文春新書)

帝国海軍と米国海軍の比較検討、零戦戦艦大和を通じて見た日本の技術力、といったことが語られた座談会が収録され、出席者がかなり良質の人々、ということもあって、この分野に興味がある私には、おもしろい内容でした。
法曹人口激増問題が話題になることが多くなっていますが、考えてみると、日本の裁判制度は、一般の人々にとってだけでなく、携わる法律家にとっても難解な部分が多々あって、従来は、携わる人々を少数に限定しできるだけ高いレベルを維持することによって運営する、という傾向にあったように思います。それを、携わる人々を大幅に増やす、ということになって様々な問題が出てきているわけですが、従来の難解な部分というものをできるだけ減らし、携わる人々のレベルが下がっても取り扱いを容易にして、間違いが起きないように、制度そのものを作り変えて行くことも、今後は必要ではないのか(高性能ではあったが精巧な造りで製造が容易ではなかった零戦を、必ずしも高性能ではないが大量生産向きで頑丈な作りのF6Fが圧倒したように)、などといったことが頭に浮かびました。