認証官(高裁長官)の送迎

http://d.hatena.ne.jp/tamago2/20080722#1216719324

裁判所のお隣が高裁長官の官舎で,官舎の入口から裁判所の入口まで僅か数歩という至近距離であったにもかかわらず,毎朝,毎夕,公用車での送迎ということがされていたのです。朝は,まず運転手さんと秘書官の方が乗った車が裁判所の門から官舎と反対方向に進んで裏の通りから一回りして,官舎の門の前で停車,秘書官の方が降りて,玄関から長官をご案内し,長官が乗車されると,今度は裁判所と反対方向に進んで,裏の通りから一回りした後,裁判所の正門から玄関へというコースがとられているということを実際に自分の目で見て,知り,驚くとともに,長官のみならず,秘書官の方もお気の毒だナと4年間思い続けたものでした。

これは、もしかしたら今でもやっているかもしれないですね。
認証官天皇の認証を受ける公務員)は、数が少ないだけに格が高く、仰々しく奉られる傾向があります。法曹界では、最高裁判事(15名)、高裁長官(8名)、検事総長(1名)、次長検事(1名)、検事長(8名)の、合計33名しかいないため、それだけの地位にある方を、数歩の距離とはいえ、歩いて出勤させるわけには行かない、とうことで、このような滑稽なことが起きているのでしょう。
ただ、組織内部では仰々しく奉られはしても、組織外の一般人から見れば、それって何?という程度のことで、認証官まで務めても、やめればただの人です。ただの人、ということで済めばまだよいのですが、特に、「ヤメ検」の場合、肥大化した自尊心が、辞めた後もますます肥大化するなどして、現役の後輩達に嫌われる鼻つまみ者、嫌われ者の元認証官になる、ということも、時々起きてきます。認証官になって、鼻高々になるのも結構ですが、その後の人生でつまずく原因にもなり得る、という負の側面も併せ持つ、ということは言えるように思います。特定の誰、ということを言っているわけではありませんので、念のため。

追記(平成21年12月22日):

最高裁判所長官天皇が任命するので、厳密に言うと認証官ではなく(旧憲法下では「親任官」かもしれません)、法曹界における認証官は合計32名ということになりそうです。