大麻密輸に問われた英国籍の男性、千葉地裁が無罪判決

http://www.asahi.com/national/update/0502/TKY200805020065.html

判決によると、昨年8月13日、男性が南アフリカから香港経由で成田空港から入国した際、スーツケースの中から大麻約9.7キロが見つかった。公判で男性は「大麻が入っていたとは知らなかった」と主張し、作田裁判官は「第三者が出発前に気づかれないように大麻を入れた可能性がある」と判断した。

私は、平成12年4月から、千葉地検刑事部の麻薬係検事をしていて、その年の8月に退官するまでの短い間でしたが、成田空港絡みのこの種の事件は、かなり担当しました。なかなか微妙な否認事件も多く、参考にするため、過去の同種事件について調べてみたこともありましたが、無罪事件というのは皆無で、千葉地裁は、この種の事件について、まず無罪は出さない傾向がある、と感じたことがありました。そのような傾向が、その後、全国的な事実認定厳格化の流れの中で、徐々に変化してきているかもしれない、という印象を、この記事に接して受けました。