<槍ケ岳雪崩>34年前にも同様事故 危険性への切実感は?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080101-00000057-mai-soci

記者自身が、34年前に、すぐ近くで雪崩にあって九死に一生を得た経験が語られています。

たまたま寝返りをうって横向きに寝ていた私は、顔の前に空間があり、呼吸ができた。しかし、あお向けに寝ていた友人はテントの布で顔を覆われ、身動きもならずに窒息死した。埋もれ方が浅かったテントから先に脱出した仲間が、残りのテント上の雪を掘り、数十分後に何とか体を動かせるようになり、ナイフでテントを切り裂いて脱出した。仲間の助けがなければ自力脱出は無理だったろう。

当時の私たちは雪崩の危険がある場所にテントを張ったことに加え、「天候判断の甘さ」を厳しく批判された。
今回の遭難場所は山小屋にも近く、雪崩には比較的安全性が高いと考えられていた。しかし、年末年始に天候が悪化することは分かっていた。そんな状況で、雪崩の危険にどれほどの切実感を持ってテント地を選定したのだろうか。その判断を十分に検証していく必要があるだろう。

おそらく、今度の事故でも、上記のような批判はされるものと思われます。私は、登山はしませんが、特に雪山登山のような場合、常に危険と隣り合わせで、刻一刻と変化する状況の中で、危険の状況も変化し、危険を回避し進むべきか退くべきか、といった判断を不断に行う、そこに、また醍醐味もあるのではないか、という気がします。
起きた事故の教訓が、今後の同種事故再発防止に役立てられることが必要であり、34年前の事故の教訓が生かされていなかったとすれば、残念と言うしかありません。この記事を書いた記者も、おそらくそのような思いなのでしょう。