篤姫と家定

2008年のNHK大河ドラマは「篤姫」ですが、きちんとバックグラウンドを押さえておいたほうが、より興味を持って楽しめるように思い、年末に

幕末の大奥―天璋院と薩摩藩 (岩波新書)

幕末の大奥―天璋院と薩摩藩 (岩波新書)

を買って、少しずつ読んでいます。幕府と薩摩藩の姻戚関係が、篤姫の前から続いていたことなどがよくわかり、参考になります。
篤姫正室になったのは、13代将軍家定ですが、

徳川将軍家十五代のカルテ (新潮新書)

徳川将軍家十五代のカルテ (新潮新書)

によると、資料に基づき、脳性麻痺による障害を抱えていたのではないか、と推測されています(同書147ページ以下)。同書によれば、家定には脳性麻痺による不随意運動があり、言葉もうまく発することができなかったようで、家定自身も、それを気にかけ、精神的にも落ち込んで生活することが多かったとのことです。
そこに、篤姫が輿入れして、気分も明るくなって生活できるようになったか、というと、既にその時点で重い脚気で健康を害していて、結婚後、2年ほどで家定は亡くなっていて、篤姫の結婚生活は瞬く間に終わってしまっています。
大河ドラマでは、おそらく、家定の上記のような気の毒な状態には、ほとんど触れられないのではないか、と推測されますが、現実の結婚生活は、決して幸福なものではなかった、ということは言えるように思います。
そのあたりが、大河ドラマではどのように描かれるかにも、興味を感じます。