「遺族に終わりはない」 金沢の女性コーチ殺害、30日午前零時に時効

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安實さんの着衣から、犯人の遺留品とみられる毛糸が見つかっている。毛糸は脱脂も着色もされていない特殊な製品で、特定には至らなかったが、富山県内の工場で製造された子どもの髪飾りに使われている毛糸に非常によく似ていることが分かっている。このことから、捜査の過程で「犯人は子どもと生活している人物」との見方も浮上した。

これまで捜査に携わった県警OB、現職の捜査員は異口同音に「今の科学捜査技術があれば、捜査の局面は変わっていただろう」と語る。遺体には何者かのだ液が微量に付着していたが、当時、県警にはDNA鑑定の設備はなかった。

県警は十五年間に六千人以上から事情を聴き、「土地勘のある顔見知りの犯行。犯人はこれまで捜査した中に必ずいる」(捜査一課)との見方を変えていない。元捜査幹部は「怨恨(えんこん)かわいせつ目的か、犯行の動機が絞れず、捜査対象が広がった」と振り返る。

確かに、だ液のDNA鑑定が行えなかったのは痛かったと思いますね。遺留品の毛糸についても、これだけの特異性があるのであれば、何とか犯人へと結びつけられなかったのか、と悔やまれます。
時効が成立してしまう重大事件が目立つ気がしますが、時効になりました、残念でした、あとは言い訳、では、遺族も、また国民も、納得できないと思います。捜査の過程を振り返って検証し、初動捜査やその後の捜査で、何が欠けていたのか、何をすれば解決へと結びつく可能性があったのか、といったことを、時効成立後、徹底的に分析して、今後に生かすことが必要ではないかと思います。