「2ch.net」ドメイン差し押さえ?

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0701/12/news046.html

壇弁護士のブログ

http://danblog.cocolog-nifty.com/index/2007/01/post_947a.html

でも取り上げられています。
上記のitmediaの記事では、

強気の背景には、何ら差し押さえられるはずがないという自信があるとされる。西村氏には固定資産がなく、給与の流れも不明なので、一般的な差し押さえは無理。弁護士が銀行口座を探り当てるなどしてきたが、西村氏も海外に資産を移すなど対抗策を講じてしまい、どの債権者も手をこまねいているのが現状だ。関係者によれば「(西村氏は)時効成立まで逃げ切るつもり」だという。

とありますが、今後、「強気」を阻む可能性として、

1 国税当局による介入
2 捜査の対象になること

が指摘できるように思います。
先日、本ブログでも紹介した

徴税権力―国税庁の研究

徴税権力―国税庁の研究

でも指摘されていましたが、国税当局は、「重要事案管理対象者名簿」というものを極秘で作成し、綿密な調査を積み重ねているようです(同書148ページ以下)。対象者の選定基準としては、「経歴、社会的地位等からみて、税に関する事柄が全国的な注視の的となることが予想されるもの」等が挙げられていて(同書153ページ)、西村氏の場合、既に名簿に登載され、その「強気」の言動も含め綿密な調査の対象とされている可能性もあるでしょう。そういった調査の中で何らかの問題点が把握されれば、当然、問題点に応じた措置が講じられることになるはずです。損益に不明点が多くても、資産状況が把握されることで脱税事件として立件可能になる場合もあり(いわゆる「B/S立証」)、国税当局をなめてかかるのは危険です。
また、上記の記事にあるような「海外に資産を移すなどの対抗策」が講じられるようなことがあれば、刑法上の

強制執行妨害)
第96条の2
強制執行を免れる目的で、財産を隠匿し、損壊し、若しくは仮装譲渡し、又は仮装の債務を負担した者は、2年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

に該当する可能性も出てきます。何度も煮え湯を飲まされるような目にあってきた捜査機関が、そういった犯罪の証拠をつかめば、喜々として迅速に動いて事件化する、ということもあり得るでしょう。
場合によっては、捜査当局と国税当局が連動、協調して動く、ということもあり得ないことではありません。
単に「ドメインの差押」とかシャレや冗談では済まない、厳しい状況が今後生じる可能性もあると思います。