機長過失を全面否定 日航機乱高下事故 名高裁

http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070110/mng_____sya_____014.shtml

判決は、機長の過失行為を全面的に否定する一方、事故原因について「操縦以外の何らかの原因で機体姿勢が急激に変化し始めた」と指摘するにとどまった。

私の記憶では、事故を起こした機種は、機体特性として、機首上げが起こりやすいことが以前から指摘されていたように思います。解明しきれない部分(特に機体の問題)を残したままで、人的な過失をと問おうとしたことに、そもそも無理があったのではないか、というのが、私の印象ですが、証拠を見ていないので、あくまで印象論にとどまります。
検察官が立証の柱として依拠したのは、航空事故調査委員会の報告書と思われますが、刑事責任追及を目的として作成されたものではなく、事実認定や証拠の取捨選択についても、刑事裁判におけるものとは異なっていると推測され、しかも、報告書以外に見るべき証拠がなければ、一見、航空事故調査委員会の報告書という「権威ある」証拠により磐石に見える証拠構造が、実は単なる砂上の楼閣にしか過ぎない、ということにもなりかねません。今後のこの種の事件における検察捜査、起訴の在り方に反省を迫るものがあると言えるようにも思います。