http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170122-00000059-asahi-soci
捜査関係者によると、千葉県警は昨年、組織的な自動車盗難事件の捜査で関係者の位置情報を把握するため、ＧＰＳ端末の利用を検討。私有地に無断で立ち入って付けないことや、捜査に支障がなくなった時点で本人に知らせることを条件に検証令状を取った。
ＧＰＳ端末の位置情報を管理する通信事業者に令状を示したうえ、捜査対象者が使う可能性のある車両に装着。捜査に一定の見通しがついた段階で、対象者にも知らせたという。
警察当局がこういった捜査を無令状で行い、それを正当なものと（任意捜査の一環であると）説明するにあたり、令状取得が困難であるとか適切な令状がないといったことが根拠にされることがあります。実際に、上記の記事のような捜査が行われたということは、常に、ではないにしても状況によっては令状を取得した上でのGPS捜査が可能であるということが実証されているということであって、今後のこの種捜査の適法性の判断上は重要な実例になるでしょう。
任意捜査、強制捜査と、どちらかに振り分けてしまうのではなく、任意捜査で可能な場合もある（従来の尾行を同レベルのような場合）ものの、綿密さ、広範囲さ、期間の長さによっては強制捜査になる場合もあり、その際な令状が必要であるといった、現実的かつ人権に配慮した適切な取り扱いが必要ではないかと考えられ、今後の最高裁での判断が注目されます。
