大証元副理事長に逆転有罪 証券取引法違反事件控訴審

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200610060050.html

判決はまず、野口被告が、金融派生商品デリバティブ)の一種「個別株オプション取引」で売りと買いを同数注文した行為が仮装売買にあたるか検討。05年2月の一審判決は、個別株オプション取引は市場で別の投資家らが介入する可能性があると判断したが、二審判決は「同じ会社による売り買いは結果的に権利が変動しておらず、仮装売買にあたる」と認定した。
そのうえで野口被告による出来高操作について、相場操縦罪が要件としている「取引が繁盛していると見せかける行為」(繁盛目的)にあたるかどうかを判断。一審判決は「価格操作を目的としておらず、繁盛目的にはあたらない」としたが、二審判決は「架空の出来高を信頼した取引参入者への損害は決して小さいとは言えず、価格操作の目的がなければ繁盛目的の要件を満たさないと解すべきではない」と結論づけた。

相場操縦罪の起訴事例は、それほど多くないはずで、その意味で先例が乏しいと言えると思います。したがって、この事件の先例としての価値は高いと言えるでしょう。
「仮装売買」「繁盛目的」について、一審の判断(私個人の印象としては、やや狭きに失するように思っていましたが)とはまったく異なった判断をしていて、興味深いものがあります。