ネット情報「ウソ発見器」 総務省が開発へ

http://www.asahi.com/national/update/0826/TKY200608260179.html

ネット上の情報は、何人もの目で事前に校閲された出版物などに比べ、誤った内容が少なくない。信頼性を確かめるには、利用者が他の情報と付き合わせるなどの作業を行うしか手がない。
総務省が構築を目指すシステムは、この選別をコンピューターで自動的にやらせるものだ。ネット情報のウソや間違いの「発見器」といえる。
完成すれば、ある情報のデマ率を調べたり、ネットで検索するときに信頼性のある順番に表示したりできるという。「この情報はデマ率95%ですが表示しますか」などという注意表示もできるようになる。

こういう発想をする(できる)人というのは、情報というものに対して、真の意味で真剣に対峙したことがない、おめでたい人、無邪気な人なのだろう、というのが、まず、受けた印象でした。複数のソースにあたる、というのは、情報の真偽を確認する一つの手段ですが、複数のソースが、根本の誤ったソースから出ている、という場合もあり、限界があるのは当然のことです。また、口裏合わせ、といったことも数限りなくあります。最近、冤罪であることが明らかになった

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060823#1156306467

でも、起訴時やその後しばらくの間は、複数の証人が、口裏合わせにより、無実の被告人を犯人であると名指ししていた、と報道されていましたが、こういうケースでも、総務省が開発しようとしている「ウソ発見器」では、間違いない情報、ということで、有罪に二重丸か三重丸がついてしまうのでしょう。
いろいろな手段を組み合わせたり、情報源自体の信頼性(誠実度、人間性など)を慎重に見極めたり、といったことが、機械的にできるとは、到底思えないですね。
逆に、こういったものが広く利用され、誤った情報について、信頼性が高いなどと間違った評価を与えてしまうと、誤解がさらに広まってしまう、という恐れも出てくるでしょう。その時に、総務省が責任を取ってくれるはずもなく、責任が取れないようなものは、最初から手を出さない方が良いと思います。