担当は特捜副部長、堀江容疑者は否認 検察100人態勢

http://www.asahi.com/national/update/0128/TKY200601280212.html

堀江前社長の取り調べを担当しているのは、特捜部で脱税事件などを捜査する財政経済事件係の中原亮一副部長。副部長が取り調べを行う例は少ないが、グループ全体の頂点に立つ前社長の取り調べが全容解明のカギを握ると判断したとみられる。検察幹部は「経済事件に強く、知識量で容疑者に負けない人選をしたんだろう」と解説する。

事件を担当しているのは、財政経済事件係ではないようですから、副部長は、あくまで取調官として駆り出されたのでしょう。取調上、財政経済事件特有の専門知識が必要になることは確実である上、被疑者の社会的地位や影響度、検察庁内部における報告、等々を考えた場合に、この人選は的確だと思います。
特捜事件の場合、公安事件のような「完全黙秘」(一切口を開かない)ということはほとんどなく、饒舌にしゃべる否認が一般的です。この種の事件における取調べの進め方としては、まず、何を否認するのか、ということを明確にした上で、否認している点を突き崩す証拠を徐々に出しつつ、追及、説得等を重ねることになるでしょう。
当初は署名・指印を拒否していても、こういった特捜事件で、最後まで署名・指印拒否ということは、ほとんどないもので、供述調書については、客観的に争いがない事実関係の部分から、徐々に作成されて行く、という流れになるのが一般的です。
否認している被疑者としても、弁護人との接見の際、他の共犯者の供述状況が知らされますから、他の共犯者が、自分自身の関与を含め認めているということになれば、取調べが進展する中で、徹底して否認を貫くか、あるいは、認めざるを得ない部分は認めて行くか、といった選択を迫られることになります。
刑事事件を刑事事件として進めればよい、という単純な話ではなく、ライブドアグループ全体に対する今後の影響など、複雑に絡み合う様々な要素を検討しつつ、また、事件の落としどころを手探りで模索しつつ、今後の方針を検討する必要があるので、弁護団の苦労にも多大なものがあるでしょう。ご苦労様です。