義母強殺、51歳被告に懲役25年判決…前橋地裁

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050823i504.htm

久我裁判長は法改正で無期懲役刑が実質的に30年以上に相当することになると指摘し、「10年から12年前後の有期懲役刑が多い通常の殺人罪の3倍の刑を宣告することが、常に合理性を持つとは考えにくい」と言及。

私自身の感覚として、無期懲役刑の受刑者は、15年から20年程度の服役で仮釈放になる場合が多いと思っていたので、念のため、手元にあった犯罪白書(平成15年版)を見てみると、平成9年から平成14年までの各年の無期刑仮釈放者のうち、20年以上服役した者が、いずれも過半数でした。
平成5年から平成8年までは、逆に、各年とも、20年以内の服役者が過半数で、傾向としては、仮釈放までの服役年数が長くなってきている(敢えて単純化して言うと、20年は服役しないと出られない)ようです(同書149、150ページ)。
有期刑の上限引き上げに伴い、無期受刑者の服役年数も、より長期化することにならざるを得ませんが、では、どの程度服役すべきか、服役中に非常に改善が進んだ場合であっても横並びに長期間の服役をさせるのか、といった問題が出てくるように思います。
一つの可能性として、上記のような非常に長期の有期受刑者と無期受刑者が、実際の取り扱われ方(特に仮釈放)としては差異がない、という方向に進む可能性もあるでしょう。
無期懲役刑の独自性、有期懲役刑よりも「重い」刑罰としての性格を維持するためには、判決宣告時に、仮釈放までの最低服役期間を定める、といった制度の導入も必要になるかもしれません。