重大犯罪服役者 仮釈放者を大幅に上回る満期出所者の再犯率

http://www.hokkaido-365.com/news/2010/11/post-1430.html

法務省の研究機関「法務総合研究所」が、2000年(1月〜6月)に出所した重大事件(殺人、傷害致死、強盗、強姦、放火)の服役者を調査したところ、09年末までに322人(31.5%)が再犯に及んでいたことが明らかになった。

重大事犯者の一定数は、無期懲役が確定した受刑者になる。法務省「矯正統計」(09年)によると、無期懲役受刑者1772人のうち、09年に仮釈放されたのは6人(0.34%)にすぎない。刑法は、無期の場合、10年経過後に仮釈放ができると定めているが、仮釈放者6人の平均受刑在所期間は約30年2カ月に及んでいる。

犯罪白書は、重大事犯者に対し、しょく罪指導プログラムや性犯罪再犯防止指導などの処遇や社会復帰支援策の充実の重要性を指摘している。

再犯対策が、刑事政策上、重要な問題であることは古くから認識されてきましたが、なかなか効果的な対策を講じるのが難しい問題です。とは言え、手をこまねいているわけには行かず、出所前だけでなく出所後についても適切なフォローを行って、社会に徐々に、うまく馴染んで行けるような、ソフトランディングできるような態勢を整備することが、治安を適切に維持するためには必要でしょう。
裁判員制度が導入され、「罰」の中身について注目が集まりがちですが、罰を受けた人のその後についても、国民が関心を持てるように、今後とも啓発活動が積極的に講じられるべきではないかと思います。