法律の上限超え求刑、服役させる 福岡地検

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO00150420X20C16A4CC0000/?n_cid=kobetsu

地検によると、地検小倉支部の検察官が、法律上求刑できる上限を6カ月上回る懲役1年6月を誤って求刑。地裁小倉支部もこれに気付かず、2014年3月に懲役1年2月の実刑判決を言い渡し、確定した。元受刑者は14年4月〜15年5月に服役。元受刑者は別の事件で起訴され、今年3月の公判中に別の検察官がミスに気付いた。

刑罰法令には法定刑がありますが、実際の量刑は、法定刑に一定の加重、減軽を経て導き出される「処断刑」の範囲内で決められます。例えば、複数の犯罪を犯した場合、それらが「併合罪」の関係に立つと、併合罪加重といって、刑法47条で

併合罪のうちの2個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とする。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。

とされています。上記の記事にある事件の罪名や罪数(犯罪の個数や関係)がよくわかりませんが、併合罪加重すべきではないところを誤って加重してしまい、それで導いてしまった処断刑で量刑を決めてしまったが故の過誤ではないかと推測されるものがあります。
求刑決定の際に主任検察官や決裁官、判決の際に裁判官が検討しているはずで、更に言えば弁護人もいて(ただ、弁護人はそういったことには疎いのが普通であまり期待はできませんが)、誰も気づかなかったというのが残念ですが、こういった過誤がないように、慎重にチェックする必要がありますし、おかしいなと思ったら遠慮せず言ってみなければならないでしょう。