カネボウ粉飾:監査法人が虚偽報告書 債務超過を圧縮

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050807k0000m040120000c.html

関係者によると、カネボウの依頼を受けた中央監査法人は97年7月から興洋の実態調査を開始。同8月末ごろ、「97年4月現在、興洋の債務超過額は約459億円」とする中間報告を行った。ところが、わずか4カ月余後の98年1月の報告書には、同時期の興洋の債務超過額を約386億円と約73億円も少なく記載し、カネボウ側に提出した。

約4か月で、債務超過に関する調査結果が約73億円も減るのは、普通じゃないでしょうね。

同対策委はこのうち虚偽の報告書を98年1月の取締役会に提出。取締役会は「毎年約10億円の経常黒字が可能」と判断し、支援拡大を決定した。
カネボウは98〜03年度、興洋に総額約796億円の支援を行ったものの興洋の業績はまったく好転せず、興洋は昨年1月解散に追い込まれた。

今後の問題は、ここでしょう。上記の「支援」(融資)は、今後、特別背任罪に問われる可能性があります。融資にあたり、上記の報告書が重要な資料として使われ、提出した監査法人も、虚偽性や重要性を認識していれば、関係者が、刑事では特別背任罪の共犯(共同正犯あるいは幇助犯)、民事でも共同不法行為者となる可能性が出てきます。それもかなりの蓋然性で。
約796億円が、全部が全部、立件されるとは思いませんが、そのうちの相当額が立件、起訴されるといった事態が生じれば、監査法人に対し、巨額の損害賠償請求が行われる可能性が、現実のものとしてあり得るでしょう。
特捜部が、粉飾決算だけで満足して捜査を終結させようとしているとはとても思えず、いくつかある目標(その中には「政界」を視野に入れたものもあり得ます)の中で、「巨額背任」は、立件が目指されているものの一つと推測されます。

 中央青山監査法人の話 担当会計士とカネボウ旧経営陣とのなれ合いはなく、交渉もしていない。

本当にこのコメント通りなのかどうかは、今後の捜査によって明らかになるでしょうね。