安部被告への無罪言い渡し求める…薬害エイズで弁護側

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050412i515.htm

刑事訴訟法では、被告が心神喪失状態の場合、公判を停止しなければならないが、無罪が明らかであれば、無罪を言い渡すことができると規定している。

ここで指摘されているのは、この条文ですね。

第314条
1 被告人が心神喪失の状態に在るときは、検察官及び弁護人の意見を聴き、決定で、その状態の続いている間公判手続を停止しなければならない。但し、無罪、免訴、刑の免除又は公訴棄却の裁判をすべきことが明らかな場合には、被告人の出頭を待たないで、直ちにその裁判をすることができる。
(2項以下略)

弁護人は、先日の元厚生官僚に対する高裁判決(原審の一部無罪判決につき控訴棄却)を根拠に、「無罪が明らか」と主張しているようですが、厚生官僚と医師では置かれた立場が異なり問われようとした刑事責任の内容も同一とは思われないことや、証拠関係も共通しない部分があるはずなので、直ちに「無罪が明らか」とは言いにくいのではないかと思います。
東京高裁第12刑事部の裁判長の訴訟指揮の様子を頭に思い浮かべると、「無罪が明らかですね。」という話になるようには到底思えません(ほめているわけでも、批判しているわけでもありませんので念のため)。

追記:

現時点で無罪の理由なし=薬害エイズ安部被告公判で見解−東京高裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050413-00000713-jij-soci